単一の臍動脈に収束した二重臍動脈:症例報告。
DOI:10.1097/MD.0000000000040199
アブストラクト
理由:臍帯の正常構造とドップラーパラメーターは、胎児感染症、染色体異常、低酸素症、成長発育制限など多くの疾患と密接な関係がある。われわれは、妊娠24週4日に診断された、両側臍動脈合流により胎児臍帯の遊離区間に単一の臍動脈が形成された症例を報告する。胎児は妊娠31週3日に早発膜破裂を起こし早産となった。トキソプラズマ、その他、ルベラウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス検査で、トキソプラズマ・ゴンディ、風疹ウイルス、単純ヘルペスウイルスIgG抗体が陽性であった。
症例:36歳女性,妊娠31週+3日に腟分泌物が1時間以上続き,当院産科を受診した。
診断: 膣膜早期破裂と1時間以上の膣分泌物のため、当科を受診した。おりものは大腸菌によるものであった。帝王切開後、トキソプラズマ、その他、ルベラウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス検査で以下が陽性であった:T gondii、風疹ウイルス、単純ヘルペスウイルスIgG抗体が陽性であった。この患者は2回の超音波検査を受け、臍帯動脈奇形(胎児側の臍帯の遊離節が1本の臍帯動脈に収束している)と診断され、胎児感染症との関連が考えられた。
介入:帝王切開前に2日間、抗炎症治療と胎児肺成熟治療を行った。
転帰:母体および新生児は抗炎症治療、対症療法、支持療法を受け、1週間後に改善し退院した。出生後1ヵ月、6ヵ月、1年の経過観察後、新生児の成長発育(身長、体重)は同年齢児に比べ有意に低く、音や光に対する反応もやや遅れていた。
教訓:臍帯動脈奇形はきわめてまれであり、子宮内寄生虫感染やウイルス感染に関連している可能性がある。超音波検査は非侵襲的で費用対効果が高いという利点があり、臍動脈の構造を動的に観察するのに使用できる。超音波検査中に発見された臍帯動脈構造の異常な変化は、子宮内感染リスクを示すことができ、妊婦のさらなる検査、早期診断、適時の標的治療、および胎児の予後改善のための臨床的指針となる。
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