香港の小学校4~6年生の男女の保護者におけるヒトパピローマウイルスワクチンの受容に影響を与える要因。
DOI:10.12809/hkmj2311144
アブストラクト
はじめに:ヒトパピローマウイルス(HPV)は、香港において大きな医療負担となっているが、過小評価されている。本研究では、小学生女児を対象とした予防接種プログラム導入後、HPVワクチン接種の保護者受容に影響を与える要因を調査した。男女ともにHPVワクチン接種に関する親の認識と関連因子を評価した。
方法:2021年12月から2022年2月にかけて、香港の小学4~6年生の保護者を対象に横断調査を実施した。自記式オンライン調査により、社会人口統計学的特徴、HPVワクチン接種の認知度や知識、HPVワクチン接種に対する態度、HPVワクチン接種の受容に関するデータを収集した。男子生徒の親と女子生徒の親との間で特徴を比較した。ワクチン受容に関連する因子を多変量ロジスティック回帰により分析した。
結果:男児の保護者、女児の保護者のHPVワクチン接種に対する認知度は高かったが、HPVおよびHPVワクチンに関する知識は比較的乏しかった。また、HPVワクチン接種率は憂慮すべき低さであった。HPVワクチンに対する考え方は、保護者グループ間で類似していた。過半数の親が、HPVワクチンは安全で感染予防に有効であると考えていた。男児の保護者は、HPVワクチンの受容率が低かった。受容に関連する因子は保護者グループ間で異なっていた。
結論:HPVおよびHPVワクチンの認知度の高さは、ワクチン受容の予測因子となる。男児の親はHPVワクチン接種を受け入れにくく、このグループの潜在的なHPVワクチン接種のためらいに対処することに重点を置くべきである。公教育では、政府のワクチン接種プログラムに対する認識を高めることを目指すべきであり、小学生以上の学童へのキャッチアップワクチン接種プログラムの実施も考慮すべきである。
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