イラクにおける血友病治療:多施設共同研究。
DOI:10.47391/JPMA-BAGH-16-20
アブストラクト
目的:血友病患者に対するケアのレベルを評価する。
方法:本記述的後ろ向き分析研究は、イラクのバグダッドにあるMustansiriyah大学の承認を得て、2020年12月15日から2021年3月1日まで実施され、World Bleeding Disorders Registryに参加しているイラクの血友病治療センター3施設からのデータで構成された。収集されたデータは、2018年3月以降にレジストリーに登録された血友病AおよびB患者に関するもので、診断時の年齢、血友病の種類、疾患の重症度、初回出血時および初回関節出血時の年齢、補充療法の種類、転帰が含まれた。データは社会科学統計パッケージ(SPSS)バージョン20を用いて分析した。
結果:平均年齢16.2±4.3歳(範囲:9-29歳)の638例中、581例(91%)が血友病A、57例(8.9%)が血友病B、385例(60.5%)が重症血友病、126例(19.8%)が中等症、125例(19.7%)が軽症であった。さらに、259例(41%)は診断から1年未満であった。出血イベントは1354件で、そのうち959件(70.8%)が血友病であった。重症患者の平均年間出血率は2±0.6(範囲:0〜4)であり、平均年間関節出血率は4±1.3(範囲:2〜8)であった。インヒビター検査を受けた患者は256例(32.3%)で、62例(24.3%)が陽性であった。治療歴のある血友病A患者426例(73.3%)のうち、予防的治療を受けていたのは248例(58%)であり、血友病B患者37例(65%)では17例(46%)であった。
結論:治療へのアクセスは限られており、患者は高い出血率と関節損傷に苦しんでいることがわかった。