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ユビキチン特異的プロテアーゼ53(USP53)関連遺伝性慢性胆汁うっ滞の小児の自然経過と転帰。
DOI:10.1002/jpn3.12392
アブストラクト
ユビキチン特異的プロテアーゼ53(USP53)は細胞のタイトジャンクション形成に必須であり、この遺伝子の変異はタイトジャンクションを破壊し、胆汁うっ滞を引き起こす。われわれは、インドの進行性家族性肝内胆汁うっ滞症登録から得られたUSP53変異を有する患者の臨床症状と転帰について述べる。USP53遺伝子にホモ接合体、複合ヘテロ接合体、ヘテロ接合体のいずれかの変異を有し、胆汁うっ滞を呈した患者29人すべてを対象とした。胆汁うっ滞に関連するUSP53変異体の予後は良好であり、82.7%で肝臓本来の生存が認められたが、17.3%では肝移植が必要であった。黄疸は93%で発症し、48.8%は生後3ヵ月以内に発症した。黄疸は21例(72.4%)で消失した。そう痒症は中央値7ヵ月で76%(10/22、45%で重症、4例、18.1%で内科的治療に抵抗性)。その大多数(82.7%)は2遺伝子変異を有していた。タンパク質切断変異は20例(69%)に、ミスセンス変異は9例(31%)に認められた。遺伝子型と転帰の間に相関は認められなかった。