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2020年から2022年までの日本におけるコロナウイルス疾患患者を特定するための国際疾病分類コードを用いたクレームベースアルゴリズムの検証研究:VENUS Study。

DOI:10.1002/pds.70032

アブストラクト

目的:2020年5月~2022年8月に初発のコロナウイルス疾患(COVID-19)を発症した患者を特定するため、国際疾病分類第10版(ICD-10)を用いた請求ベースのアルゴリズムを検証した。

方法:研究コホートは、公的保険制度に加入しているある自治体の住民で構成された。本研究では、保健所リアルタイム情報共有システム(HER-SYS)にリンクされた住民の保険者ベースの医療請求データなど、自治体から提供されたデータを使用した。HER-SYSのデータにはCOVID-19検査の陽性結果が含まれており、参照標準として用いた。請求ベースのアルゴリズム#1および#2は、それぞれU07.1、B34.2であり、疑わしい診断がある場合とない場合があった。クレームベースのアルゴリズム#3および#4は、それぞれU07.1で疑わしい診断あり、診断なしであった。各アルゴリズムについて感度、特異度、陽性適中率(PPV)、陰性適中率(NPV)を算出した。

結果:研究コホートには165,038人の研修医が含まれ、うち13,402人が基準であった。全期間において、感度、特異度、PPV、NPVは、アルゴリズム#1では55.7%(95%信頼区間:54.8%-56.5%)、65.4%(65.2%-65.6%)、11.5%(11.3%-11.8%)、98.9%(98.8%-99.0%)、アルゴリズム#2では67.0%(66.2%-67.8%)、88.1%(87.9%-88.3%)、31.6%(31.1%-32.2%)、97.8%(97.7%-97.8%)、アルゴリズム#2では52.9%(52.0%-53.7%)、67.1%(66.9%-67.3%)、11.5%(11.2%-11.8%)、98.3%(98.3%-98.4%)、アルゴリズム#3では62.6%(61.8%-63.4%)、88.5%(88.3%-88.7%)、アルゴリズム#4では30.9%(30.3%-31.4%)、97.3%(97.2%-97.4%)であった。

結論:COVID-19に関連するICD-10コードからなる請求ベースのアルゴリズムでは、初発COVID-19患者の同定には限界があることが示された。

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