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小児期の虐待と炎症性腸疾患の発症との関連。

DOI:10.14309/ctg.0000000000000718

アブストラクト

はじめに:炎症性腸疾患(IBD)とストレスフルなライフイベント、心理的要因との関連は以前から報告されている。我々の目的は、女性医療従事者の大規模コホートを用いて、小児期の精神的・身体的・性的虐待とIBDリスクとの関連を検討することであった。

方法:2001年にChildhood Trauma QuestionnaireのPhysical and Emotional Abuse SubscaleとParent-Child Conflict Tactics ScaleのSexual Maltreatment Scaleに回答したNurses' Health Study IIの参加者を対象とした。IBDの診断は自己申告により決定し、医療記録の確認により2人の医師が独立して確認した。Cox比例ハザードモデルを用いて、共変量を調整しながらクローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)のリスクを推定した。

結果:1989年から2017年まで追跡した68,167例の女性において、CDは146例、UCは215例であった。虐待歴のない女性と比較して、CDの調整後ハザード比は軽度で1.16(95%信頼区間[CI]0.67-2.02)、中等度で1.58(95%CI0.92-2.69)、重度の虐待で1.95(95%CI1.22-3.10)であった(Ptrend = 0.002)。小児期の虐待とUCのリスクとの関連は観察されなかった。

考察:幼少期に重度の虐待を受けたと報告した女性は、CDのリスクが高かった。これらのデータは、CDの発症に幼少期のストレス因子が重要な役割を果たすというエビデンスの増加に寄与するものである。

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