中国人口におけるアトピー性皮膚炎有病率の推移(1990-2021年)と2022-2030年の予測。
DOI:10.1111/pai.14271
アブストラクト
背景:アトピー性皮膚炎(AD)は皮膚疾患の中で最も疾病負担が大きい。しかし、中国におけるAD有病率の動向に関する報告は限られている。本研究は、1990年から2021年までの中国におけるAD有病率の時間的推移を調査し、年齢および性差を探ることを目的とした。
方法:データは2021年のGlobal Burden of Disease Studyから入手した。Joinpointモデルを用いて、1990年から2021年までのADの粗有病率と年齢標準化有病率(ASPR)の年間変化率を分析した。ベイズ年齢-期間-コホートモデルを用いて、2022年から2030年までのADの将来の有病率を予測した。
結果:全ASPRは1990年(10万人当たり1357.93人)から2021年(10万人当たり1347.11人)にかけてわずかに減少した。2021年のASPRは女性(10万人当たり1457.64人)が男性(10万人当たり1247.04人)より高かった。ADの有病率は、5歳未満(10万人当たり3455.56人)と5~9歳(10万人当たり3360.31人)で最も高かった。2030年までに予測されるADのASPRは、男性1394.36(10万人当たり)、女性1603.69(10万人当たり)である。5歳未満(男性3996.14/10万人、女性3990.68/10万人)および5~9歳(男性3714.61/10万人、女性3963.96/10万人)の予測有病率は、他の年齢層よりも高くなる。
結論:1990年から2021年にかけてはわずかに減少したものの、2015年以降、ADの総負担は増加傾向にある。中国の子どもと女性におけるADの負担が増加していることから、医療従事者は地域社会の教育を強化し、患者と介護者の疾病管理能力を向上させ、ADの負担と医療費を削減すべきである。
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