中国における3~7歳の早産児の症候性感染症および関連症状に対するCOVID-19ワクチン接種の効果。
DOI:10.1038/s41598-024-76609-1
アブストラクト
ワクチン接種は、SARS-CoV-2感染とそれに関連する有害転帰の予防と制御に重要な役割を果たしている。しかし、小児、特にSARS-CoV-2感染により重篤な転帰をたどりやすい早産児に対するCOVID-19ワクチン接種の有効性に関する研究は著しく不足している。われわれは、2022年12月に中国でCOVID-19の予防・管理措置が緩和された後、3~7歳の早産児における症候性COVID-19感染および関連症状に対する不活化ワクチンBBIBP-CorVおよびCoronaVacのワクチン接種の効果を明らかにすることを目的とした。3~7歳の早産児242人を対象とした後ろ向きコホート研究を行い、データは2023年3月に収集した。SARS-CoV-2に対するワクチン接種と、症候性COVID-19、特異的症状、およびCOVID-19から回復した1ヵ月後の持続的症状との関連を調べるために、ロジスティック回帰モデルおよびエントロピーバランスと組み合わせた修正ポアソン回帰モデルを用いた。募集した早産児242人のうち、156人(64.5%)が不活化ワクチンBBIBP-CorVおよびCoronaVacの接種を受けていた。エントロピーバランシングの結果、共変量はワクチン接種群と未接種群でバランスがとれており、標準化平均差は0.001未満であった。前記SARS-CoV-2ワクチンの接種により、早産児における症候性COVID-19の発症リスクが低下した(リスク比[RR]=0.783;95%信頼区間[CI]:(0.711、0.861)。同様に、COVID-19ワクチン接種は肺炎(オッズ比[OR]=0.318;95%信頼区間[CI]:0.110、0.913)、発熱(RR=0.710;95%信頼区間[CI]:0.635, 0.794)、高熱(RR = 0.542; 95% CI 0.297, 0.988)、咽頭痛(OR = 0.304; 95% CI 0.139, 0.664)、症状の持続(RR = 0.425; 95% CI 0.182, 0.993)であった。不活化ワクチンBBIBP-CorVおよびCoronaVacによる予防接種は、3~7歳の早産児に対して症候性COVID-19に対する予防効果をもたらす。
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