小児炎症性腸疾患における好中球細胞外トラップ:潰瘍性大腸炎における役割の可能性。
DOI:10.3390/ijms252011126
アブストラクト
クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性腸疾患(IBD)は、成人から小児まで罹患する腸の慢性炎症性疾患である。好中球細胞外トラップ(NETs)は、活性化した好中球が放出する構造体であり、様々な疾患において組織損傷の一因となる可能性がある。本研究の目的は、小児IBDにおけるNETの存在と役割を探ることである。20人の小児IBD患者(UCとCD)の腸管生検と末梢血を対照群と比較した。好中球浸潤とNET形成を評価するために、生検染色と好中球活性化技術を用いた。また、主要なNET蛋白の酵素活性を測定し、寛解期のUC患者におけるNET形成を評価した。UCとCDの両生検は、コントロールと比較して有意に高いレベルの好中球とNETを示し(< 0.01)、UCは最も強い関連を示した。診断時のUC患者の末梢血好中球は、コントロールやCD患者と比較してNET形成が増加していた。興味深いことに、NET形成は寛解導入治療後にUC患者で正常化した。この試験的研究は、小児IBD、特にUCにおけるNETの役割の可能性を示唆している。これらの知見は、NETの関与のメカニズムや、治療戦略としてNET形成を標的とする可能性について、さらなる研究を正当化するものである。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。