薬剤抵抗性てんかんに対する脳波伝播ネットワークに基づく仮想切除評価。
DOI:10.1038/s41598-024-77216-w
アブストラクト
てんかん発作が頻発する薬剤抵抗性てんかんは、手術を受けることで発作を起こさなくなると考えられているが、介入部位が不正確であることもあり、無発作率が劇的に改善することはない。この臨床的ニーズに応えるため、我々はてんかん脳のダイナミクスを明らかにするための有効結合を構築する。高次の有効結合によって捕捉された伝播経路に基づいて、切除領域の制御中心性評価スキームを計算する。シミュレーションデータセット、臨床データセット、公開データセットの3つのデータセットを用いた。高次有効結合を計算することによりてんかん原性伝播ネットワークを定量化し、正確な伝播経路を求め、これに基づいてoutdegree indexと組み合わせて仮想切除を行った。電極を除去し、制御中心度を再計算することで、各電極や領域の制御中心度を定量化し、仮想切除スキームを評価した。3つのデータセットで一貫した結果が得られた。正確な伝播経路を追跡し、切除過程で発生する明らかな変曲点を見つける。再発のない異なるスキームを比較することで、最小介入目標が得られた。多発発作の臨床データから、切除後は脳が安定状態に達し、拡散が継続しにくくなることがわかった。制御中心性の定量的解析により、切除可能なスキームを評価することで、最終的にてんかんに対する最適な介入部位を得ることができ、手術計画の立案に役立てることができる。
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