COVID-19パンデミックが小児の呼吸器合胞体ウイルス感染に及ぼす影響。
DOI:10.1155/2024/2131098
アブストラクト
背景/目的呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は乳幼児における気管支炎の主な原因である。気管支炎は下気道の急性炎症であり、肺炎、呼吸不全、死に至ることがある。われわれは、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の流行前と流行中の0~60ヵ月の小児におけるRSV感染の発生率と重症度を比較することを目的とした。方法米国ニューヨーク市クイーンズ郡の地域病院において、2018年5月1日から2022年5月31日の間にRSV陽性と判定された0~60ヵ月の患者について、レトロスペクティブチャートレビューを実施した。比較は、2018~2019年シーズンと2019~2020年シーズンはそれ以前として、2020~2021年シーズンと2021~2022年シーズンはCOVID-19パンデミック期間中として行った。RSV感染の重症度は気管支炎重症度スコア(BSS)を用いて評価した。データはRソフトウェアを用いて解析し、p値< 0.05を統計的に有意とみなした。結果2018-2019年および2019-2020年シーズンのRSV感染発生率は10月中旬から2月にピークを示したが、COVID-19パンデミック中の最初のシーズン(2020-2021年)はRSV感染発生率が非常に低く切り捨てられ、2021-2022年シーズンは9月から1月にピークを示し、どの時点でもRSV感染発生率は最も高く(37%)、頻度は低かった。2021~2022年シーズンの患者は高齢であり(H [2, 196.6] = 12.5, p < 0.001, 95% CI = [5.4, 25.6])、軽症であった(H [2, 187.5] = 7.5, p < 0.01, 95% CI = [2.1, 19.2])。結論COVID-19のパンデミック期間中、RSV感染の発生率およびRSVによる入院率が低いことが観察された。COVID-19パンデミック中の第2RSVシーズンは、より早く始まり、より長く続き、より低い頻度であった。このシーズンには軽症の年長児が最も多く罹患した。RSVの疫学と疾病負担はCOVID-19パンデミックの影響を受けており、その予防と制御戦略に重大な影響を及ぼす可能性がある。
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