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新生児集中治療室に入院した未熟児新生児において、スクロース経口投与とカンガルー母乳保育が、選択された生理学的変数および静脈穿刺による疼痛に及ぼす影響を比較した。

DOI:10.1186/s40001-024-02113-x

アブストラクト

背景:新生児集中治療室(NICU)に入院した未熟児は、ケアや治療中に多くの痛みを伴う介入を受ける。本研究の目的は、シラズ医科大学付属NICUに入院している未熟児を対象に、スクロースとカンガルーマザーケアを用いた場合の生理的変数と静脈穿刺による疼痛への影響を比較することである。

方法:この臨床試験は2つのNICUに入院した未熟児を対象とした。サンプルサイズは66新生児で、各群22新生児であった。無作為化はブロック割付法で行われた。データ収集には、人口統計学的質問票、新生児疼痛スケール、パルスオキシメトリー装置が用いられた。データ解析にはFriedman検定、Kruskal-Wallis検定、Dunnのpost hoc検定を用い、有意水準はP<0.05とした。

結果:スクロース経口投与とカンガルーケアでは、静脈穿刺中および穿刺後の呼吸数、心拍数、平均動脈血酸素飽和度に有意差が認められた(P < 0.05)。スクロースの経口投与はカンガルーケアよりも有意に効果的であった。カンガルーケア下の新生児は、他のグループと比較して、より規則正しい心拍数を示した(P < 0.05)。経口スクロースとカンガルーケアの利用は、未熟児新生児の静脈穿刺による平均疼痛スコアにさまざまな影響を及ぼした(P < 0.05)。

結論:どちらの方法も痛みの軽減と生理学的変数の改善に有効であることが証明された。しかし、スクロース投与が優れた効果を示したことから、NICUにおいて費用対効果が高く、実施しやすい方法として推奨される。

試験登録: Iranian Registry of Clinical Trials IRCT20191215045749N1.(29/03/2020).

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