深刻化する健康危機:ブラジル北東部の先住民族における死亡率の原因と傾向の解明。
DOI:10.1017/dmp.2024.155
アブストラクト
目的:ブラジルの最貧地域である北東部では、先住民コミュニティが保健医療上の重大な課題に直面している。統一保健医療制度(SUS)の法的受給資格があるにもかかわらず、制度的障壁が存在し、健康格差と死亡率を悪化させている。この生態学的研究では、アラゴアス-セルジペ特別先住民衛生地区(DSEI)における10年間の死亡率推移と死因を分析した。
方法:2012年から2022年までの死亡データを先住民保健事務局より入手した。死因は13のカテゴリーに分類された。先住民1,000人当たりの死亡率を算出し、Mann-Kendall検定を用いて傾向を分析した。また、年齢層別の死因も比較した。
結果:死亡率は1,000人当たり3.3~5.2人で、時間の経過とともに緩やかな上昇傾向を示した(τ = 0.5, = 0.042)。主な原因は心臓および血管障害(24.3%)、外因(12.4%)、呼吸器疾患(11.1%)、感染症(10.9%)などであった。小児死亡の約3分の1は一般的な新生児合併症と関連していた。
結論:本研究は、ブラジル北東部の先住民コミュニティにおける死亡率の増加を明らかにした。主な死因は、より広範な公衆衛生上の懸念を反映している。これらの傾向は、より効果的で文化的に配慮した公衆衛生政策と医療アクセスの改善が急務であることを強調している。