注意欠陥多動性障害と2型糖尿病との間の媒介経路:2段階および多変量メンデルランダム化研究からの証拠。
DOI:10.1017/S2045796024000593
アブストラクト
目的:2型糖尿病(T2D)は世界的な健康負担であり、注意欠陥多動性障害(ADHD)患者では一般集団と比較して有病率が高い。ADHDがT2Dとどのように関連しているかについての知識ベースを拡大するために、本研究ではT2Dに対するADHDの因果関係を推定し、介在経路を探索することを目的とした。
方法:一塩基多型を用いた2段階2標本メンデルランダム化(MR)計画により、ADHDと様々な潜在的メディエーターを遺伝学的に予測した。まず、遺伝的に予測されるADHDとT2D、およびADHDと媒介因子とされるBMI、小児肥満、小児BMI、座りがちな行動(1日のテレビ視聴時間)、血圧(収縮期血圧、拡張期血圧)、C反応性蛋白質、教育達成度(EA)との関連を調べるために、広範な単変量MR法が用いられた。その後、専門家混合法を適用して、信頼できる推定値を返す可能性が最も高いMR法を選択した。多変量MRから得られた推定値を用いて、メディエーターを介したT2Dに対するADHDの間接的効果を推定した。
結果:遺伝的に予測されるADHDは、T2Dの10%高いオッズと関連していた(OR:1.10;95%CI:1.02, 1.18)。検討された9つの媒介因子とされるものから、3つが有意な個別の媒介効果を示した:EA(39.44%の媒介;95%CI:29.00%、49.73%)、BMI(44.23%の媒介;95%CI:34.34%、52.03%)、TV視聴(44.10%の媒介;95%CI:30.76%、57.80%)である。BMIとEAの組み合わせは、ADHD-2D関連の最大の媒介効果(53.31%、95%CI:-1.99%、110.38%)を説明した。
結論:これらの所見は、ADHD責任とT2Dとの間に潜在的に因果的な正の関係があることを示唆しており、BMIが高いこと、テレビ視聴が多いこと、EAが低いことが媒介となっている。したがって、これらの因子に対する介入は、ADHD患者におけるT2Dリスクに対して有益な効果をもたらす可能性がある。
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