英国のプライマリケアデータにおけるアトピー性湿疹患者の71の転帰に関するコホート研究。
DOI:10.1038/s41467-024-54035-1
アブストラクト
アトピー性湿疹は、その後の健康上の有害な転帰に複数関連している可能性がある。ここでは、湿疹と包括的な転帰との関連を判断し、比較するためのエビデンスを提供する。我々は、Clinical Practice Research Datalink Aurumのプライマリケア記録(1997~2023年)を用いて71のコホート研究(年齢、性別、一般診療所とのマッチング)を実施し、湿疹のある最大360万人とない最大1,680万人を比較した。湿疹は、Cox回帰による調整ハザード比(99%信頼区間)が食物アレルギーで最大4.02(3.95-4.10)(1,000人年当たりの発生率差[RD]は1.5)と、その後の転帰の診断と関連していた。アトピーおよびアレルギー疾患(例えば、喘息1.87[1.39-1.82]、RD5.4)および皮膚感染症(例えば、伝染性軟属腫、伝染性軟属腫1.81[1.64-1.96]、RD1.8)、最も強い関連はホジキンリンパ腫(1.85[1.66-2.06]、RD0.02)、円形脱毛症(1.77[1.71-1.83]、RD0.2)、クローン病(1.62[1.54-1.69]、RD0.1)、じんま疹(1.58[1.57-1.60]、RD1.9)、セリアック病(1.42[1.37-1.47]、RD0.1)、潰瘍性大腸炎(1.40[1.34-1.46]、RD0.1)、自己免疫性肝疾患(1.32[1.21-1.43]、RD0.01)、過敏性腸症候群(1.31[1.29-1.32]、RD0.7)であった。感度分析により、診察の偏りやコホートの年齢カットオフの選択が所見に及ぼす影響が明らかになった。重度の湿疹における比較的大きなHRは、肝臓、消化管、心血管疾患、骨粗鬆症、骨折の一部でみられた。ほとんどのがんおよび神経疾患は湿疹と関連していなかった。