Nancy Histopathological Indexは、新たに潰瘍性大腸炎と診断された小児患者の臨床転帰を予測する上で、限られた価値しか持たない。
DOI:10.1002/jpn3.12416
アブストラクト
Nancy Histological Index(NHI)は、潰瘍性大腸炎(UC)患者の組織学的疾患活動性をスコア化するために用いられている。われわれの目的は、小児潰瘍性大腸炎患者の臨床転帰の予測における診断時のNHIの有用性を、臨床スコアおよび内視鏡スコアと比較して評価することであった。小児UC患者106例(女性59例[55.7%]、年齢中央値14.4[11.2-15.9]歳、小児潰瘍性大腸炎活動性指標[PUCAI]中央値35[25-55])の診断時データをレトロスペクティブに検討した。116週(55-171週)の追跡期間中、33例(31.1%)がアザチオプリン療法を必要とし、32例(30.2%)が抗腫瘍壊死因子α(抗TNFa)療法にエスカレーションされた。診断時のPUCAIスコアおよびMayo内視鏡スコアは、抗TNFa療法へのエスカレーションと有意に関連していたが(それぞれp = 0.036およびp = 0.02)、アザチオプリン療法の開始やその後の急性重症大腸炎(ASC)イベントとは関連していなかった。しかし、NHIはその後の免疫調節薬や抗TNFa療法(それぞれp = 0.42とp = 0.78)、将来のASCイベント(p = 0.70)とは関連しなかった。結論として、NHIは新たにUCと診断された小児患者の臨床転帰を予測することはできなかった。