小児における感染後閉塞性細気管支炎の臨床的特徴と発症の危険因子。
DOI:10.1186/s12887-024-05227-7
アブストラクト
背景:感染後閉塞性細気管支炎(PIBO)は、重症気道感染症に続発する重症の慢性閉塞性肺疾患である。小児のPIBO発症に関連する危険因子に関する知識は、適切な早期治療介入の選択を改善する可能性がある。
目的:本研究の目的は、PIBOと診断された小児の臨床的特徴を記述し、アデノウイルス肺炎後のPIBO発症の危険因子を同定することである。
方法:まず、小児PIBO患者308例(5歳未満)を対象にレトロスペクティブ観察研究を行ったところ、非侵襲的/侵襲的換気、重複感染、アトピー性疾患の頻度が高いことが明らかになった。その後、アデノウイルス肺炎を発症した131例(5歳未満)をレトロスペクティブに検討したところ、BOを発症した症例(308例に含まれる)と発症しなかった症例があった。ロジスティック回帰分析により、PIBO発症に関連する危険因子を明らかにした。
結果:308例(年齢中央値18ヵ月、範囲:12-54ヵ月、男性優位3.7:1)の呼吸器症状は、喘鳴(71%)、呼吸困難(66%)、頻呼吸(23%)、低酸素血症(18%)であった。236例で病因(主にアデノウイルス、肺炎マイコプラズマ)が検出され、うち137例で同時感染がみられた。注目すべきは、アトピー性疾患の既往歴(患者および/または家族)が患者の78%に関連し、PIBO診断前に喘息と診断された患者は15%であったことである。アデノウイルス肺炎患者131人を対象としたその後の研究では、多変量解析により、共同感染(OR 4.20、95%CI 1.29〜13.63)、アトピー体質(OR 29.67、95%CI 12.16〜81.67)、発熱期間(OR 1.42、95%CI 1.10〜1.83)がアデノウイルス肺炎後のPIBO発症の独立した危険因子であることが示された。
結論:小児のアデノウイルス肺炎後のBO発症の危険因子として、アトピー性疾患、重複感染症、発熱期間が同定された。PIBOは喘息と重複する可能性があり、BO発症におけるアトピー性疾患の役割を明らかにするため、早期の積極的な治療とさらなる研究が必要である。