妊娠32週以前に出生した学齢児童の生活の質に関する認識。
DOI:10.1007/s00431-024-05882-z
アブストラクト
Unlabelled: 気管支肺異形成(BPD)を有する早産児は、学童期における生活の質(QoL)の崩壊のリスクが高く、しばしば呼吸器疾患の罹患や継続的な入院治療の必要性に関連する。本研究の目的は、就学時期の早産児において、BPDが自覚されるQOLに及ぼす影響を評価することである。2012年1月から2014年12月の間に当院の新生児室に入院した妊娠32週未満で出生した乳児を対象に前向き観察研究を行った。これらの小児を追跡調査し、8~10歳の時点で、小児QOL(PedsQL)質問票を用いてQOLを評価し、得点が高いほどQOLが低いことを示した。調査対象は、平均妊娠週数29.42週(SD 1.87)、平均出生体重1221.36g(SD 347.25)の102例で、調査時の平均年齢は8.59歳(SD 0.90)であった。BPD2~3の患者は、多変量モデルで妊娠年齢を調整した後でも、BPDなしまたはBPD1の患者と比較して、「生活の質全体」(p = 0.03)および「社会的活動」領域(p = 0.02)において有意に低い認知を示した。健康と活動」領域(p = 0.31)、「感情状態」領域(p = 0.58)、「学校活動」領域(p = 0.33)では有意差は認められなかった。追跡期間中に喘息症状を経験した患者は、そうでない患者よりもQOLの総認識が低かった(20.53(SD 6.19)対11.89(SD 1.44)、p<0.01)。BPDと診断されていない患者とグレード1のBPD患者との間に有意差は認められなかった。同様に、妊娠28週未満と妊娠28週以上の患者を比較しても有意差は認められなかった。
結論:グレード2-3のBPDを有する学童期の早産児集団では、BPDなしまたはグレード1のBPDの患者と比較して、自覚的QOLの悪化が報告された。追跡期間中に喘息症状を発症した早産児もまた、QOLの低下が報告された。BPDのない患者とグレード1のBPDのある患者の間、あるいは妊娠28週以前に生まれた患者と28週以降に生まれた患者の間では、QoLに差は認められなかった。これらの知見は、BPDを有する早産患者、特にグレード2~3のBPDまたは喘息症状を有する早産患者のQoLを評価することの重要性を強調するものであり、早期評価により、QOLおよび長期転帰を改善するための的を絞った介入が有益な患者を同定することができる。
知られていること: - 超早産児の生存率は近年著しく上昇しているが、呼吸器疾患、特に気管支肺異形成は依然として一般的な問題である。気管支肺形成不全が早産児の生活の質(特に就学時)に及ぼす影響についてはまだ議論がある。BPDは喘息のリスク増加や肺機能異常と関連しているが、QoLへの影響は完全には理解されていない。
新しい知見:-グレード2-3のBPDを有する早産児は、学童期におけるQoLの認知、特に「社会的活動」の領域において有意に悪い。この所見は、長期的なフォローアップの必要性と、QoL、特に社会的統合を改善するための介入の可能性を強調するものである。小児期の喘息症状もQoLを悪化させる一因であり、早期診断と効果的な治療の重要性を強調している。