カナダのPICUにおける家族の参加制限に関する家族の経験:解釈的記述研究。
DOI:10.1007/s00431-024-05854-3
アブストラクト
目的:本研究は、COVID-19パンデミックというユニークな背景を活用し、将来の倫理的意思決定やインフォームド・デシジョンに役立てるため、子どものPICU入院中に家族の同席が制限された場合の家族の経験を調査することを目的とした。
方法:2020年3月から2021年4月までに入院したカナダ人PICU患者のうち、家族同席制限(RFP)方針を経験した家族を対象とした質的解釈的記述的研究。回答者は、人口統計学的なばらつきが最大となるよう無作為に抽出した。オープンエンド面接の帰納的主題分析によりテーマを作成した。
結果:カナダの5つの地域から14人の親が参加した。(1)親としての役割を果たすことの難しさ、(2)危機的状況における主要な支援からの孤立、(3)増大する物流上の困難への対応、(4)医療制度における思いやりのあるアプローチの模索。
結論:RFPの方針は、重症児の家族に様々な障壁をもたらした。医療機関や医療チームは、PICUにおける親の役割の二面性に配慮した一貫性のある共感的な規則の適用を通じて、障壁を取り除く役割を果たす可能性があり、パンデミック後の政策や実践に重要な示唆を与えている。
判明していること: - 親が重症児に付き添うことは、患者とその家族の健康状態を改善する可能性がある。- PICUにおける家族の同席に対する制限は国際的に続いており、COVID-19では親の孤立、不安、ストレスの増加をもたらした。 何が新しいのか:- カナダのPICUにおけるCOVID-19に関連した制限は、家族を孤立させ、支援を排除することによって、家族が自らのニーズを満たしながら親の役割を果たす能力を問われるものであった。 - 家族中心の組織で信頼と治療関係を維持するためには、臨床医や医療システムによる共感的でアドボカシーに基づいたアプローチが必要である。