新生児出血管理の進歩:脳室外ドレナージ有効性の臨床評価。
DOI:10.1007/s00381-024-06671-7
アブストラクト
目的:新生児脳室内出血(IVH)の治療における脳室外ドレナージ(EVD)の臨床的有効性を評価する。
方法:2018年1月から2024年2月までに青島婦女小児病院脳神経外科に入院したIVHの新生児の臨床データをレトロスペクティブに解析した。すべての患者が確定診断を受け、その後EVD治療を受けた。定期的な経過観察が行われ、出血後水頭症(PHH)を発症した患者は脳室腹腔シャント(VPS)手技を受けた。
結果:IVHを発症した44例の新生児のうち、28例が男性、16例が女性であった。出生時の妊娠週数中央値は36週(範囲:24~40週)、出生時体重中央値は2.9kg(範囲:0.78~4.33kg)であった。グレードⅡのIVHは3例、グレードⅢのIVHは34例、グレードⅣのIVHは7例であった。EVDの平均期間は12.2±5.6日であった。全例が少なくとも1年間経過観察された。12例(27%)が水頭症を発症し、うち8例(18%)が進行性の脳室拡大を認めVPSを施行、4例(9%)は水頭症が停止しVPSを施行せずに安定した状態を維持した。追跡期間中、39例が正常発達を示し、3例(6.8%)がてんかんを発症し、2例(4.5%)が脳性麻痺を発症した。
結論:EVDは脳室内出血に対する有効な治療法である。EVDは患者の生存率と予後を改善し、同時に水頭症の発生率を効果的に減少させる。