眼部帯状疱疹の年齢パターンの変化と多様な転帰:時間的傾向、発症年齢の低下、治療戦略の影響を探る。
DOI:10.1007/s10792-024-03369-2
アブストラクト
目的:眼部帯状疱疹(HZO)は高齢者や免疫不全者によくみられる疾患である。ここ数年、臨床的特徴は異なるものの、罹患年齢が低下する傾向が観察されている。このような若年層への時間的傾向は、この集団における発症の可能性のある原因を特定するための詳細な評価が必要である。
方法:本研究は病院ベースの後ろ向き研究である。最初に154件のデータシートが同定された。関連性のないデータシート(88件)を除外した後、関連性のある完全な記録56件を包括的解析の対象とし、組み入れ基準を遵守した。
結果:最も多く罹患した年齢層は40歳未満で、平均年齢は38歳であった。結膜炎が最も多く82.05%にみられた。角膜炎は上皮性(64.44%)、間質性(15.3%)、貨幣状(3.57%)と様々であった。前部ぶどう膜炎が35.89%、後部ぶどう膜炎(網膜炎、神経網膜炎)が7.69%、後眼部病変(裂孔原性網膜剥離、視神経萎縮)が8.8%、続発性緑内障が28.2%、視神経炎が5.3%であった。
結論:本研究は、HZOの発生率が若年層へと時間的にシフトしていることを反映している。HZOに罹患する若年患者の割合は増加しており、男性優位である。HZOの潜在的リスク、再発、慢性化に寄与する特定可能な因子は、人口統計、免疫状態、食事、環境との関連、ワクチン接種の有無、過去の再発歴に関連している。報告された転帰は、HZOの進展パターンを理解し、患者ケア、公衆衛生およびワクチン接種政策を改善する上で有用である。