てんかん手術後の小児集中治療室における術直後の経過。
DOI:10.1007/s00381-024-06681-5
アブストラクト
目的:様々なてんかん手術を受けた小児の術直後のPICUでの経過と短期転帰について述べる。
方法:単施設、後方視的観察研究。2018年から2022年の間にてんかん手術後にPICUに入院した20歳未満の全患者を研究参加対象とした。
結果:研究期間中にてんかん手術を受けた小児は52例(年齢中央値7.9歳)であった(焦点病変切除術および葉切除術[FL]25例、脳梁切開術[CC]10例、半球手術[HS]17例)。術前の抗痙攣薬(ASM)の平均使用回数は3回、ASMの平均失敗回数は6回であった。皮質形成不全が最も頻度の高い病因であった(25%)。術前の認知遅延と運動障害は、それぞれ38例(74%)と26例(50%)で報告された。PICUでの入院期間の中央値は1日(HS群では5日)であった。44例(85%)において術後1日目、40例(77%)において入院期間中発作はみられなかった(FL群20/25例[82%]、CC群4/10例[40%]、HS群14/17例[82%])。PICU滞在中にてんかん重積状態はみられなかった。血行動態の補助を必要とした患者はなく、呼吸補助を必要とした患者は3例(6%)だけであった。26例(50%)に電解質異常がみられた。疼痛はほとんどが軽度であった。発熱は28例(54%)に認められ、特にHS群(94%)で顕著であった。
結論:小児のてんかん手術は、特にFL群とHS群において、術直後の罹患率が極めて低く、発作負荷も低い。