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孤立性耳鳴りの小児患者に画像診断は必要か?

DOI:10.1016/j.ijporl.2024.112196

アブストラクト

目的:耳鳴りは一般的な耳鼻咽喉科的愁訴であり、煩わしいものから衰弱させるものまで様々である。腫瘍、骨折、その他の原因を除外するために画像診断が頻繁に行われるが、患者に大きな医療的・経済的負担を強いることもある。さらに、小児では画像診断に鎮静が必要な場合もある。本研究では、孤立性耳鳴りを有する小児患者において、画像診断がどの程度一般的に行われているか、また画像診断の結果が臨床治療に影響を及ぼすかについて検討した。

方法:3次小児病院で耳鳴りと診断された0~22歳の患者266例のレトロスペクティブケースシリーズを実施した。耳鳴り以外の耳鼻咽喉科的愁訴を有する患者は除外した。統計解析にはロジスティック回帰、Wilcoxon順位和検定、log-rank生存分析を用いた。

結果:耳鳴りと診断された平均年齢は13.4歳(IQR 10.8-16.7)、221/266例(83.1%)が白人、139/266例(52.3%)が男性であった。詳細が得られた108例では、29例(26.9%)に拍動性耳鳴りがみられた。266例中21例(7.9%)に片頭痛の既往があり、24/266例(9.0%)に精神医学的診断の既往があった。患者の74/26(27.8%)がCTおよび/またはMRIによる画像診断を受けた。画像診断を受けた患者のうち11人(14.9%)に異常所見が認められ、新たな異常所見を示したのはMRI1人、CT1人のみであった。注目すべきは、MRIとCTの異常所見は同一患者のものであり、CTは外傷調査の一環として得られたものであったことである。経過観察が行われた64人の患者のうち、47%の患者が耳鳴りの消失を認めた。拍動性耳鳴りと片頭痛の既往がある患者は、画像診断を受ける傾向が強かった(OR = 8.14, 6.17; p < 0.001, < 0.001、それぞれ)。副鼻腔炎、頭部/耳部外傷、精神科診断、拍動性耳鳴りの既往は、新たな画像異常とは相関しなかった。

結論:孤立性耳鳴りの小児患者において、画像診断で臨床治療に影響を与えるような新たな異常が発見されることは非常にまれである。リソースの利用を最適化し、画像診断を延期できる小児耳鳴患者のコホートを特定するためには、さらなる研究が必要である。

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