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小児における血栓症:単一施設データベースからのレトロスペクティブ研究。

DOI:10.21873/invivo.13851

アブストラクト

背景・目的:小児血栓症の発生率やその特徴は、高度な診断技術の活用により、ますます認識されるようになってきている。小児血栓症は成人に比べて頻度はまだ低く、多くの場合、先天性または後天性の危険因子を有する患者に発現する。本研究の目的は、ルーマニアのビホール県における小児血栓症に関する疫学的データを確立することであり、小規模医療施設における診断の課題を明らかにし、適切な診断・治療アルゴリズムを提案することである。

患者および方法:このレトロスペクティブ研究は、救急郡立ビホール臨床病院で22年間にわたって実施され、電子カルテを用いて血栓性イベントと診断された小児患者39例を同定した。

結果:ほとんどの患者(82.1%)は2013年から2024年の間に診断され、やや男性優位であった。年齢分布は1歳までの新生児と思春期の2つのピークを示した。症例の大部分(53.8%)は静脈血栓塞栓症であり、次いで動脈血栓塞栓症が41%であった。脳血栓症が最も多く、次いで下肢、上肢の順であった。遺伝性血栓症因子は検査したすべての患者で認められ、アンチトロンビン、プロテインS、プロテインCの欠損が確認された。後天性危険因子としては悪性腫瘍が最も多く、遺伝性危険因子としてはPAI-1 4G/5Gが最も多く検出された。

結論:本研究は、過去20年間における小児血栓塞栓症の認知度の著しい上昇を浮き彫りにした。医療従事者の認識向上は極めて重要であり、特に誘発性のない血栓症症例では、徹底した血友病パネルと集学的チームの関与が必要であろう。

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