アジアとオーストラレーシアにおける小児てんかん手術の調査。
DOI:10.1007/s00381-024-06710-3
アブストラクト
目的:本研究では、アジアとオーストラレーシアで行われている小児てんかん手術の範囲を明らかにすることを目的とした。
方法:各国の代表的な外科医に、自国で行われている小児てんかん手術に関するアンケートを電子メールで送付した。調査内容は、どのような検査、手術、手術件数を誰が行っているか(成人脳神経外科医か小児脳神経外科医か)などである。
結果:てんかん手術プログラムは、大国や国内総生産(GDP)の高い国ほど一般的である。てんかん手術を実施している国では、脳磁図(MEG)を除くすべての検査が一般的に利用可能である。術中脳電図検査(ECOG)と脳定位固定術は一般的に利用可能であり、ほとんどの国では術後のモニタリングも可能である。レーザー間質性治療(LIT)と反応性神経刺激(RNS)の利用は限られている。中国では年間約4000例の小児てんかん症例が施行されており、これは他のすべての国を合わせた症例数よりも多い。てんかん手術の症例数は年間人口100万人あたり0.2~22例であり、症例数と各国のGDPには相関関係がある。てんかん手術を受けられない子供たちが大勢いる。
結論:アジアとオーストラレーシアでは、てんかん手術へのアクセスに大きなばらつきがある。手術件数が多い欧米諸国に匹敵する国もあれば、手術をまったく受けられない子供たちが何億人もいる。