先天性サイトメガロウイルス感染の新生児スクリーニングの経済評価:システマティックレビュー。
DOI:10.1007/s00431-024-05953-1
アブストラクト
目的:この系統的レビューでは、先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染に対する新生児スクリーニングの経済評価を分析し、費用対効果に影響を与える主な要因と方法論の違いを明らかにする。
方法:事前に登録したPROSPEROプロトコル(CRD42023441587)に従い、2024年7月4日に複数のデータベースで包括的な文献検索を行った。レビューには、完全な経済評価(費用とアウトカム)と部分的な経済評価(費用のみ)の両方を含めた。2名のレビュアーが独立してデータ抽出と統合を行った。質の評価には、Consensus Health Economic Criteria extended checklistとConsolidated Health Economic Evaluation Reporting Standards 2022 Statementを用いた。
結果:543件の記録から、9件の研究が組み入れ基準を満たした:4件の完全経済評価と5件の部分的経済評価。2件の完全経済評価では、質調整生存年(QOL)あたりの増分費用対効果比が示された。意思決定ツリーとマルコフモデルを用いた完全経済評価では、一般的に、ユニバーサルスクリーニングはターゲットスクリーニングよりも費用対効果が高いとされた。部分的な評価では直接費用に焦点が当てられ、長期ケア費用を含めるかどうかはさまざまであった。ほとんどの研究は医療システムの視点を採用し、間接費用は除外していた。完全な経済評価の質評価では、高い方法論的水準が示されたが、アウトカムの測定と報告における共通の限界が確認された。
結論:入手可能な証拠は、新生児cCMVスクリーニング、特に早期介入戦略の費用対効果の可能性を示唆している。しかし、完全な経済評価は限られており、方法論的アプローチも多様であるため、確定的な結論には至っておらず、多様な医療状況における追加研究の必要性を強調している。
既知事項:- 先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染は、新生児スクリーニングで発見できる疾患であり、その経済的影響を理解することは医療制度にとって重要である。- 経済評価は、完全評価(コストとアウトカムの両方を分析)と部分評価(コストのみに注目)に分類できる。
新情報:-543件のシステマティックレビューによると、普遍的スクリーニングはcCMVの標的スクリーニングよりも費用対効果が高いようである。- レビューでは、既存の研究、特にアウトカムの測定と報告における方法論的な限界が明らかにされ、さまざまな医療状況におけるより包括的な研究の必要性が強調された。