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1998-2016年における母親の周産期不安と乳児のプライマリケア利用:英国のコホート研究。

DOI:10.1136/bmjment-2024-301160

アブストラクト

背景:周産期不安(PNA)が乳幼児の予防接種率の低下や乳幼児の予防医療へのアクセスの低下と関連していることを示すいくつかの証拠があるが、各研究の結果は決定的なものではない。

目的:母親のPNAと乳児のプライマリケア利用との関係を調査する。

方法:IQVIA Medical Research Database(IMRD)を用いて1998年から2016年の間に特定された母親と乳児のペアを対象としたコホート研究。PNAは妊娠開始から出生1年後までの処方、診断、症状記録により特定した。アウトカムは、プライマリケア受診率、6~8週の乳児健診受診率、乳児5-in-1ワクチン接種受診率などで、受診率は調整せず比較し、その他のアウトカムはロジスティック回帰を用いて分析した。

結果:248,618人の女性のうち、11,558人(4.7%)にPNAの記録があった。PNAのある母親の乳児は、そうでない母親と比較して、出生後1年間のプライマリケア受診回数が平均で1回/人年多かった(9.7回 vs 8.7回)。PNAのある母親は、予防接種を受けた乳児を持つ可能性が高かったが(調整後OR(aOR)1.33、95%CI 1.20~1.48)、6~8週の乳児健診の受診記録を持つ可能性は低かった(aOR 0.88、95%CI 0.81~0.95)。

結論:PNAを有する母親の乳児は、平均してプライマリ・ケア受診率がやや高く、ワクチン接種を受ける可能性が高かったが、乳児健診の受診記録がある可能性は低かった。

臨床的意義:ケアを提供する助産師および一般開業医(GP)は、PNAが乳児の健康にどのような影響を与えるか、また乳児の健康が母親の不安にどのような影響を与えるかを考慮すべきである。

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