カナダ、マニトバ州のリンクされた人口ベースの行政保健データを用いたCOVID後の状態の人の同定:COVID陽性者のコホートにおける有病率と予測因子。
DOI:10.1136/bmjopen-2024-087920
アブストラクト
目的:SARS-CoV-2に暴露された人の多くは、COVID感染後症候群(PCC)と呼ばれる長期的な症状を経験する。PCCに関する研究はまだ始まったばかりであるが、診断、臨床治療ガイドライン、医療システムの資源配分を支援するために早急に必要である。本研究では、医療行政データを用いてPCC症例を同定する方法を開発し、カナダのマニトバ州におけるPCC有病率と予測因子を報告した。
デザイン:コホート研究。
設定:カナダ、マニトバ州。
参加者:2020年3月~2021年12月の集団的PCR検査でSARS-CoV-2陽性と判定され(n=66 365)、その後国際疾病分類9/10診断コードおよび処方薬コードに基づいてPCCと判定されたすべてのマニトバ人(n=11 316)。医師の診察、救急部の受診、何らかの理由による入院を含む医療サービスの利用パターンを評価するために、予測モデリングを用いて追加のPCC症例を同定した(n=4155)。
結果:検査陽性のマニトバ人におけるPCC症例の割合としてPCC有病率を測定し、社会人口統計学的特徴および臨床的特徴で調整した95%信頼区間付きオッズ比(aOR)を算出することにより、PCCに関連する予測因子を同定した。
結果:検査陽性のマニトバ人66 365人のうち、15 471人(23%)がPCCであった。女性であること(aOR 1.64、95%CI 1.58~1.71)、60~79歳であること(aOR 1.33、95%CI 1.25~1.41)または80歳以上であること(aOR 1.62、95%CI 1.46~1.80)、COVID-19感染後14日以内に入院したこと(aOR 1.95、95%CI 1.80~2.10)、シャルソン併存疾患指数1+であること(aOR 1.95、95%CI 1.78~2.14)は、PCCを予測する因子であった。COVID-19ワクチンの1回以上の接種(1回接種、aOR 0.80、95%CI 0.74~0.86;2回接種、aOR 0.29、95%CI 0.22~0.31)は、PCCのオッズを減少させた。
結論:このデータ主導のアプローチは、PCCの有病率と疫学についての理解を拡大するものであり、母集団ベースのデータを有する他の管轄区域でも適用できるであろう。本研究は、PCCの危険因子と防御因子に関するさらなる洞察を提供し、医療システムの計画とサービス提供に役立てることができる。