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チリで最も人口の多い都市の小中学生における社会経済的地位とCOVID-19ワクチン接種率との相関。

DOI:10.1038/s41598-024-84260-z

アブストラクト

COVID-19の疾病負担は不均質であり、この疾病の影響は他の非伝染性疾病や社会経済的地位(SES)と相乗的であることを示しており、この疾病の症候群的性格を浮き彫りにしている。ワクチンの登場はパンデミックの影響を緩和したが、その適用範囲も、異なる国を比較した場合と、国内の異なる集団を比較した場合の両方で不均一であった。注目すべきは、再びSESが相関因子であるように見えることである。われわれは、チリのサンティアゴ都市圏(MA)に属するさまざまな市町村における、学齢期のワクチン接種を受けた子どもの割合の詳細について、公開されているデータを分析した。デルタ、オミクロン、およびその亜種であるBA.4とBA.5の分散をカバーするために、COVID-19パンデミック期間中の3つの異なる日に、公立、州補助、私立の学校タイプごとにワクチン接種データをまとめた。各市町村と学校種別のワクチン接種率の中央値を計算し、9つのSES指標それぞれとのスピアマンの順位相関係数を算出した。COVID-19の予防接種を受けた学齢児童の割合は、SESと相関している。この強い相関は公立校と国庫補助校で観察されるが、私立校では観察されない。ワクチン接種率の不公平は時間の経過とともに減少しているが、私立学校と比較して公立学校または州補助学校に在籍する生徒のほうが高いままであった。入手可能なデータが不十分であったため、ワクチン接種率低下のもっともらしい原因を探ることはできなかったが、ワクチン接種の重要性に関する適切な情報の欠如、子どものワクチン接種に対するインセンティブの欠如、政府に対する信頼の低さ、低所得者のワクチンへのアクセスの制限など、さまざまな要因が複合的に関与している可能性がある。これらの調査結果は、将来のパンデミックに立ち向かうために、ワクチン接種キャンペーンの欠点を克服するためのより良い戦略を立案する必要性を提起している。

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