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低悪性度脳腫瘍によるてんかん患者における不安と抑うつの併発。

DOI:10.1038/s41598-025-85499-w

アブストラクト

本研究の目的は、低悪性度脳腫瘍(LBT)によるてんかん患者において、不安とうつ病の精神疾患の併発を評価することであった。不安とうつ病の神経心理学的評価を術前に受け、その後LBTに対するてんかん手術を受けた患者の臨床データをレトロスペクティブに検討した。単変量解析および多変量解析を行い、不安およびうつ病発生の危険因子を分析した。研究対象となった107例のうち、42例(39.3%)が女性で、28例(26.2%)が小児であった。手術時の年齢中央値は22歳(四分位範囲[IQR]:17〜27歳)、発作発症年齢中央値は12歳(IQR:6〜18歳)、てんかん罹病期間中央値は84ヵ月(IQR:42〜180ヵ月)であった。合計で、21例(19.6%)が不安の精神疾患を有し、26例(24.3%)がうつ病の精神疾患を有していた。単変量解析および多変量解析により、発作間脳波所見の不一致(vs.一致)は不安の存在と関連していることが判明した(P = 0.035、オッズ比[OR] = 3.35)。不一致(vs.一致)の発作時脳波所見(P = 0.015、OR = 4.44)および腫瘍の側頭部位置(P = 0.015、OR = 13.52)は、うつ病の存在と関連することが明らかにされた。不安および/またはうつ病の精神疾患は、LBTに起因するてんかん患者に頻繁に発生する可能性がある。したがって、早期スクリーニングと精神的介入が必要であり、特に、てんかん放電が不一致または広範囲であり、腫瘍の側頭部浸潤を有する患者に対して必要である。

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