エチオピア北東部の公衆衛生施設における妊婦とその新生児におけるカンジダ属菌の膣内コロニー形成と垂直伝播:有病率と関連因子。
DOI:10.1186/s12884-024-07103-9
アブストラクト
背景:カンジダによる膣内コロニー形成は外陰膣カンジダ症につながる可能性があり、これは世界的に2番目に多い膣疾患である。妊婦の敗血症や新生児の有害な転帰と関連することが多い。この問題は、エチオピアを含むサハラ以南のアフリカで悪化している。しかし、現存する問題のエビデンスは非常に乏しいが、極めて重要である。そこで本研究では、エチオピア北東部の公衆衛生施設において、妊婦とその新生児におけるカンジダ属菌の膣内コロニー形成と垂直伝播、およびそれらの関連因子を明らかにすることを目的とした。
方法:2023年4月1日から6月30日まで、Dessie町の選択された公衆衛生施設において、コンビニエンスサンプリング法を用いて、348人の妊婦とその新生児を対象に施設ベースの横断研究を実施した。事前にテストした半構造化質問票を用いて、社会人口統計学的データと臨床関連データを収集した。妊婦からは膣スワブサンプルを、新生児からは外耳、鼻腔、臍部からプールしたスワブを採取し、Amies輸送培地を用いて輸送した。サンプルは、分離のためにSabouraud Dextrose寒天培地に接種され、その後、種の同定のために標準的なCHROM寒天カンジダプレートに接種され、細菌管試験によりC.albicansの偽菌が確認された。データはEpi Dataバージョン4.6.0ソフトウェアに入力され、SPSSバージョン25.0によってエクスポートおよび解析された。関連因子の同定にはステップワイズ・ロジスティック回帰モデルを用いた。p<0.05およびその95%信頼区間の変数は統計的に有意であるとみなされた。
結果:経腟分娩に参加した合計348人の妊婦が研究に組み入れられた。母体および新生児のカンジダ属菌の保菌率は、それぞれ14.1%(49/348例)および6.3%(22/348例)であった。カンジダ属菌の垂直伝播の割合は全体で44.9%(22/49、95%CI:41.2、49.7)であった。分離されたカンジダ菌のうち、63.3%(31/49)がC. albicans、36.7%(18/49)がC. kruseiであった。妊娠糖尿病(AOR:4.2、95%CI:1.23-38.6、P=0.047)およびHIV(AOR:1.58、95%CI:1.11-6.12、P=0.049)は、母親のカンジダ属のコロニー形成と独立して関連していた。さらに、農村居住(AOR=3.6、95%CI:1.37-9.5、P=0.010)および母親の年齢が28歳以上(AOR=2.39、95%CI:1.97-5.89、P=0.048)は、カンジダ菌の垂直伝播と独立して関連していた。
結論:本研究の結果は、妊産婦健診におけるカンジダ属菌の効果的なスクリーニングと治療の必要性を強調するものである。