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地震後、患者は医療施設で何を求めるのか?2023年、チュルクールにおける緊急医療チームの経験。
DOI:10.1017/dmp.2024.343
アブストラクト
2023年2月6日、強い地震(マグニチュード7.8)がトルコ南西部を震撼させ、シリア北西部の地域にも影響を及ぼし、トルコでは死者5万人以上、負傷者10万人以上、さらに約300万人が避難した。トルコ政府からの国際的な支援要請を受け、英国(UK)政府は救急医療チーム(EMT)タイプ1を派遣し、外来診療を行った。本報告書では、震災後1週間から3ヵ月までに同施設で治療された病状の種類を記す。診察と診断は、標準化された英国の救急救命士の患者記録を用いて記録され、WHOミニマム・データ・セット(MDS)フォーマットで報告された。派遣期間中、合計7048件の患者診察が記録された。症例の大半は、外傷よりも感染症、主に呼吸器疾患であった。また、心血管疾患や糖尿病などの非感染性疾患(NCDs)も、特に成人や高齢の患者の間で流行していた。本報告書は、今後の地震対応における救急救命士の準備態勢を改善するため、データ収集をより適切なものにするためのいくつかの勧告を概説している。