IL-17と炎症性腸疾患との相関。
アブストラクト
炎症性腸疾患(IBD)は、消化管に繰り返し起こる持続的な炎症によって区別される、長引く消化器疾患である。クローン病や潰瘍性大腸炎を含むIBDは、免疫異常による持続的な炎症が特徴である。インターロイキン-17(IL-17)はIBDの病態生理に大きく関与していることが、今回の研究で明らかになった。IL-17阻害剤とIBDの発症や増悪との間には強い相関があり、IL-17阻害剤投与はIBDや大腸炎などの消化管炎症事象と関連している。本研究の目的は、IBD患者におけるIBDの疾患活動性と血清IL-17値の関係を明らかにすることであった。この症例対照研究では、IBD患者102人と対照群として健常人48人を対象とした。血液サンプルを用いて、酵素結合免疫吸着法を用いてIL-17レベルを測定した。IL-17レベルは、対照群と比較して患者において上昇していた(p=0.0001)。IL-17レベルは、1~15歳、31~45歳、16~30歳の患者で有意に上昇した。IL-17値は2つのタイプの炎症性腸疾患の間で有意差を示し、潰瘍性大腸炎よりもクローン病で上昇した(p=0.001)。IL-17濃度は、患者群と対照群で男女間に有意差が認められた(p=0.0001)。結論として、IBD患者では血清中のIL-17濃度が高く、これらのサイトカインがクローン病や潰瘍性大腸炎の発症や病態生理に関与している可能性が示唆された。全体として、IL-17レベルをモニターすることは、IBDの重症度を評価し、治療方針を決定するための貴重なバイオマーカーとして役立つ可能性がある。