セピアプテリンに QT 間隔延長作用はない:健常ボランティアとフェニルケトン尿症患者を対象とした第 1 相及び第 3 相試験のプールデータの濃度-QTc 解析。
DOI:10.1007/s10928-024-09948-1
アブストラクト
セピアプテリンは、フェニルアラニン水酸化酵素の補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH)の生物学的前駆体である内因性セピアプテリンと構造的に等価な、外因的に合成される新規化合物である。セピアプテリンは、小児および成人のフェニルケトン尿症(PKU)患者における高フェニルアラニン血症の治療薬として開発されている。本試験では、セピアプテリン投与後の QT 延長リスクを評価するため、濃度-QT 間隔解析が採用された。本解析では、3 つの第 1 相試験と 1 つの第 3 相試験のデータをプールした。2歳以上の小児および成人のPKU患者には60mg/kgを複数回投与し、成人の健常ボランティアには20mg/kgまたは60mg/kgを単回または複数回投与した。時間的に一致させた3連心電図測定と薬物動態解析用の血漿サンプルが採取された。解析のために、ΔQTcFとセピアプテリンおよび主要な活性循環代謝物BHの濃度との関連について事前に規定した線形混合モデルを作成した。解析の結果、PKU患者において、最高治療用量である60mg/kg/日のセピアプテリン投与によるQTcF延長リスクはないことが示された。最終的なモデルでは、セピアプテリン及び BH 濃度の増加に伴う QTcF の減少はわずかではあるが無視できる程度であることが示された。ΔQTcFへの影響は、食餌を伴うPKU患者および高脂肪食を伴う健常ボランティアにおいて、投与量60mg/kgでの平均ベースライン調整BH Cが332ng/mL(治療曝露)および675ng/mL(治療超曝露)において、それぞれ-2.72[-3.72、-1.71]msおよび-1.25[-2.75、0.25]msと推定された。QTcF間隔に及ぼす臨床試験ID、年齢、性別、食餌効果、人種、体重、疾患状態などの様々な共変量について検討したが、食餌効果と年齢を除き、有意差は認められなかった。本研究は、PKU患者において60mg/kg/日までのセピアプテリン投与によるQTcF延長リスクはなく、BHおよびセピアプテリン濃度は、時間、性別、食事で調整した後、ΔQTcFに最小限の影響しか及ぼさないという結論に達した。
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