小児の重症インフルエンザによる退院後90日以内の再入院の危険因子。
DOI:10.1186/s12879-025-10492-7
アブストラクト
背景:インフルエンザウイルスは伝染性の呼吸器病原体であり、長期的な有害転帰を伴う重篤な急性感染症を引き起こす可能性がある。重症インフルエンザに罹患するリスクの高い小児患者については、再入院やそれに関連するリスク因子が不明なままである。
方法:2021年10月~2022年3月に重症または重症インフルエンザと診断され退院した小児を対象とした。小児のインフルエンザの診断と治療に関する中国専門家コンセンサス2020年版」に従って重症度を分類した。人口統計学的データ、臨床的特徴、基礎疾患、微生物学、治療成績、90日再入院を検索し、レトロスペクティブに分析した。COVID-19陽性者は除外した。再入院と独立して関連する危険因子を多重ロジスティック回帰モデルを用いて同定した。
結果:調査期間中に225例の重症インフルエンザ小児が入院し、うち14.7%(33/225例)が90日以内に再入院した。再入院期間の中央値は62日(IQR、31-76)であり、再入院の原因として最も多かったのは肺炎であった。M.pneumoniaeとインフルエンザウイルスが再入院の最も一般的な感染症であった。再入院した小児は、再入院しなかった患者と比較して、重症インフルエンザおよび神経学的合併症を有している可能性が高かった。再入院した小児は、再入院しなかった小児と比較して、初回入院時のナチュラルキラー細胞の割合が有意に高く、発熱期間と入院期間が短かった。鼻副鼻腔炎(OR=30.085、p=0.008)とナチュラルキラー細胞の高値(OR=1.107、p=0.012)は独立した危険因子であり、発熱期間(OR、0.748、p=0.018)は90日再入院の防御因子であった。
結論:重症インフルエンザ児の再入院を減少させるためには、鼻副鼻腔炎や過剰に活性化された宿主免疫反応など、指標となる入院中の危険因子に持続的に注目する必要があることが示唆された。