成人ゴーシェ病における骨格病変の洞察:単一施設の経験。
DOI:10.1007/s00774-024-01573-9
アブストラクト
はじめに:ゴーシェ病(GD)は、全身および骨格に合併症を引き起こすライソゾーム貯蔵障害である。本研究では、骨格合併症、骨密度(BMD)、生化学マーカーに焦点を当て、成人GD1型患者の骨の健康状態を評価した。
材料と方法:Ege University Pediatric Metabolism Departmentで追跡調査された成人GD1型患者コホートをレトロスペクティブに検討した。
結果:本研究には32例の1型GD患者が含まれ、男性11例(34.4%)、女性21例(65.6%)であった。診断時の年齢中央値は20.5歳(最小値:3-最大値:65)、登録時の年齢中央値は35歳(最小値:18-最大値:71)であった。ほとんどの患者(93.8%)に臓器腫大がみられ、93.8%に細胞減少がみられた。一般的な遺伝子変異はp.Asn409Ser(60.9%)、p.Leu483Pro(7.8%)、p.Asp448His(4.7%)であった。全患者は酵素補充療法(ERT)を中央値11年間(最小:2年、最大:18年)受けていた。骨合併症としては、病的骨折が6例(19%)、血管壊死が12例(37.5%)であった。骨痛は入院時に93.7%の患者が報告し、59.4%の患者で追跡期間中も持続した。DXAスキャンでは、当初62.5%の患者で骨密度(BMD)異常が認められ、3.1%で有意に骨密度が低く、59.3%で骨密度が低下していた。BMDは治療により改善し、それはZスコアの有意な増加によって証明された(p<0.05)。キトトリオシダーゼ(75%)、フェリチン(50%)、免疫グロブリンG(21.9%)の上昇が認められたが、BMDとの相関は認められなかった。7人の患者(22%)が脾臓摘出術を受けたが、すべて骨に問題があった。
考察:GDにおける骨の健康状態には、生化学的マーカー以外にも複数の因子が関与している。ERTはBMDを改善するが、骨痛と骨折は依然として重要な問題である。定期的なBMDモニタリングやビタミンDサプリメントのアドヒアランス向上など、包括的な管理が重要である。GDにおける骨合併症の治療法を改善するためには、さらなる研究が必要である。
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