標準治療を受けている自己免疫性肝炎の小児は、長期にわたる肥満と線状成長の遅れを示す。
DOI:10.1097/HC9.0000000000000624
アブストラクト
背景:自己免疫性肝炎(AIH)の小児における標準治療では、プレドニゾン1〜2mg/kg/日による導入療法を行い、徐々に投与量を減らしていく。われわれは、標準治療を受けているAIHの小児は成長軌道が変化するという仮説を検証することを目的とした。
方法:1997年から2023年の間にシックキッズでAIHと診断された小児を対象に、連続成長測定を行った。混合効果モデルにより、時間および毎日のステロイド曝露がZスコアに及ぼす影響を評価した。Kaplan-Meier生存法を用いて、新たに発症した成長障害の累積発生率を推定した。成長障害の予測因子を決定するために、時間依存Cox比例ハザードモデルを構築した。
結果:61人の小児(66%が女性、診断時年齢中央値11.5歳)が対象となった。BMIzは急激な上昇を示し、HAZはベースラインに戻ることなく有意に低下した。プレドニゾンを1mg/kg/d投与するごとに、最初の6ヵ月間のBMIz増加は0.27([95%CI:0.11、0.42]、p=0.001)増加し、HAZは-0.02([95%CI:-0.03、-0.01]、p=0.005)減少した。思春期前に診断された小児は、思春期中に診断された小児と比較して、過度の体重増加(72.2%対49.3%;log-rank p < 0.01)および肥満(63%対31.5%;log-rank p < 0.01)の発生率が高かった。Cox比例ハザードモデルでは、診断時の年齢が若いこと、診断後6ヵ月でプレドニゾンの1日投与量が10mgを超えることが直線的な成長遅延の予測因子であった。
結論:本研究は、標準治療を受けているAIHの小児が、成長軌跡の変化、長期的な体重増加過多、肥満、直線的成長遅延を示すことを示した。診断時の年齢が若く、6ヵ月時点でプレドニゾンを1日10mg以上投与していることが、線状発育遅延の予測因子である。これらのデータは、小児AIHに対する標準的な治療アルゴリズムを、ステロイドの投与量および非ステロイド代替薬の可能性という観点から再評価する必要性を示している。