マラリア曝露はガーナの子供たちの血漿プロテオームをリモデリングする。
DOI:10.1186/s12879-025-10495-4
アブストラクト
背景:マラリア原虫によって引き起こされるマラリアは、依然として公衆衛生上の大きな負担となっており、特に小児の間で年間約2億人の死亡者を出している。有効なワクチンがないことがマラリア撲滅の妨げとなっているが、マラリアへの曝露が多い状況下でマラリアに対する自然免疫を獲得する人々に関する研究が報告されている。しかし、マラリアに対する自然免疫を獲得した人々における防御の免疫相関は、ほとんど理解されていない。
方法:ガーナのマラリア高感染地域と低感染地域に住む症候性小児を研究に登録し、マラリアが確認された日から3週間追跡した。これらの小児の血漿プロテオームを質量分析ベースのアプローチでプロファイリングし、推定されるタンパク質ベースのバイオマーカーとマラリアに対する免疫寛容の予測因子を同定した。
結果:マラリアの高感染地域に居住する小児において、低感染地域の小児と比較して発現量の異なる蛋白質がいくつか同定された。補体カスケード活性や血小板活性化上昇など、免疫反応プロセスにおいて発現量の異なるタンパク質が濃縮された。IGKV3D-20蛋白質は、高マラリア曝露と強く関連していることがわかった。
結論:今回の研究結果は、これまでの報告を裏付けるものであり、マラリアに対する免疫寛容に関与する推定シグネチャータンパク質を同定するものである。同定された経路の主要な構成要素を明らかにし、マラリアに対する自然獲得免疫を説明し、P. falciparumに対する新規治療薬の開発に利用できる可能性がある。