自閉症を発症する可能性の高い幼児における母国語と非母国語に対する非典型的な早期神経反応。
DOI:10.1186/s13229-025-00640-w
アブストラクト
背景:自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的コミュニケーションの障害や、制限的・反復的な行動を特徴とする神経発達疾患である。ASDを発症する可能性が高いASD診断児の乳幼児のきょうだいの中でも、言語習得に困難や遅れを示す割合が高い。
方法:本研究では、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、家族性ASDの可能性が高い(HL)と典型的(TL)な生後9ヵ月の乳児における言語処理の違いを検討した。乳児は、スキャナーの中で自然に眠りながら、母語(英語)と新奇な言語(日本語)を提示された。尤度群と言語条件による言語処理の神経学的差異を評価するために、全脳解析と先験的関心領域解析が行われた。
結果:高次脳機能障害児は、高次脳機能障害児と比較して、発話に対する反応が減弱しており、特に左側頭言語野において、母語と新語の間の神経識別が欠如していた。また重要なこととして、HL児は音声処理、特に母語の音声処理において、明らかに非典型的な側方化のパターンを示し、左側方化の失敗が示唆された。
限界:特にTL群のサンプルサイズは、睡眠中の参加者から聴覚刺激誘発データを収集することに特有の課題、およびCOVID-19の流行によってもたらされた保持と追跡調査の難しさのため、比較的控えめである。両群はいくつかの人口統計学的変数において一致しなかったが、今回の所見はこれらの違いを考慮した後でも維持された。
結論:われわれの知る限り、幼児期の母国語摂取における自閉症に関連した非典型性を直接測定したfMRI研究はこれが初めてである。これらの知見は、ASDにおける言語遅滞の神経発達的背景をよりよく理解するものであり、言語障害を経験する自閉症児やHLきょうだい児に対して、より早期に、より効果的な介入を開発するための前提条件となる。