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保健所への交通費の心配がなくなった」-村の貯蓄貸付組合を通じたHIVとともに生きる子どもの養育者の経済的エンパワメント:「ウガンダのエイズフリー世代プログラム(TAFU)」からの経験と教訓。

DOI:10.1186/s12913-025-12303-w

アブストラクト

背景:ウガンダでは、社会経済的な課題が依然として子どもたちのHIV予防・治療目標の達成を妨げている。エイズフォンドとウガンダのパートナーは、ウガンダの中央部、西部、東部で、村の貯蓄貸付組合(VSLA)を主要な構成要素とする8年間の「ウガンダのエイズフリー世代に向けて」(TAFU)プログラムを実施した。本稿では、ウガンダにおけるTAFUプログラムの一環として、介護者、子どもたち、医療従事者の経験と、VSLAから学んだ教訓を記録する。

調査方法:2022年7月から8月にかけて、ントンガモ、キェンジョジョ・ミティヤナ、ムベンデ、ソロティの各県で質的事例調査を実施した。データは、VSLAのメンバー、HIVとともに生きる子どもや青年、HIVとともに生きる人々のネットワーク、村の保健チームメンバー(VHTs)との31のフォーカス・グループ・ディスカッション(FGD)を通じて収集された。さらに、TAFUが支援する保健施設で、子どもとその養育者に11回のインタビューを行い、HIVプログラムに携わる保健ワーカーと地区職員に43回のインタビューを行った。データ分析には、内容主題法を用いた。

結果:TAFUプログラムの下でのVSLAは、収入創出活動のためのローンや、子どもたちのHIVケアへのアクセスを容易にする医療費の支払いという形で、経済的資源の供給源となった。メンバーは永続的な友情と支援のネットワークを築き、子どもたちの物質的・心理的ニーズを満たすのに役立った。VSLAグループは、養育者が課題を共有し、専門家の顧客からHIVの予防と治療について学ぶための安全な場を提供し、HIVとともに生きる子どもたちのケアを改善した。グループ・トレーニング、VSLAグループへの専門家の参加、VSLAキットの提供、資金援助の提供、グループを他のサービス・プロバイダーにつなぐことなどが、重要な成功要因であった。しかし、貧困、意思決定における選ばれた個人による支配、融資におけるえこひいき、グループ活動やCOVID-19の取り扱いにおける透明性の欠如など、指導力の低さが主な課題であった。

結論:TAFUの下でのVSLAは、子どものHIVケアへの参加を妨げる社会的、経済的、心理的障壁に介護者が対応することを可能にする効果的な戦略であった。このような支援は、ウガンダや他の低所得国の政策立案者やプログラム実施者が優先的に行うべきである。

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