COVID-19パンデミック後の学童期青年における誤った姿勢の有病率:中国における大規模な集団ベースの脊柱側弯症スクリーニング。
DOI:10.1186/s13018-025-05479-8
アブストラクト
背景:10代の脊椎の健康はCOVID-19の影響によって悪影響を受けるが、パンデミック後の10代に対する大規模な側弯症検診は報告されていない。本研究の目的は、COVID-19流行後の中国の青少年における誤った姿勢の有病率を調査することである。
方法:本研究は、学校側弯症検診に基づく大規模横断研究である。各生徒は視診、アダム前屈テスト、体幹回旋角測定を受けた。姿勢評価には側湾計を用いた。脊柱側弯症が疑われる有病率を比較するため、参加者を性別、年齢、民族でサブグループ分けした。単変量および多変量ロジスティック回帰(LR)モデルを用いて、脊柱側弯症の疑いとの関連因子を評価した。
結果:COVID-19流行後の期間に、1,793,787人の生徒が参加した。中国の青少年における誤った姿勢の全体的な有病率は79.92%であり、最も一般的な誤った姿勢は肩の高低(74.18%)と肩甲骨の傾き(70.46%)であった。側弯症が疑われた生徒は97,529人(5.44%)。男性(3.7%)より女性(7.5%)が多く、10~15歳(7.58%)および10歳未満(0.88%)より15歳以上(15.12%)が多かった。単変量LR分析では、性別、年齢、学年、様々な誤った姿勢が側弯症の疑いと有意に関連していた。多変量LR解析の結果、女性であること(OR = 2.54, 95% CI: 1.68-3.85)、年齢が10-15歳であること(OR = 30.34, 95% CI: 4.99-12.64)、年齢が15歳以上であること(OR = 22.30, 95% CI: 10.84-45.87)、誤った姿勢、特に腰部隆起と右肋骨こぶが側弯症の疑いの高い危険因子であることが示された。
結論:COVID-19の流行後、中国の青少年における不正確な姿勢と側弯症の疑いの有病率は有意に増加した。COVID-19流行後の思春期特発性側弯症の予防には、側弯症が疑われるハイリスク集団の早期スクリーニングと効果的な介入を実施すべきである。