フェニルケトン尿症に罹患した東シチリア人患者の大規模コホートにおける遺伝子型-表現型相関:新生児スクリーニングプログラム、臨床的特徴、追跡調査。
DOI:10.3390/nu17030379
アブストラクト
背景フェニルケトン尿症(PKU)は、フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)遺伝子の変異によって引き起こされる常染色体劣性遺伝性疾患であり、アミノ酸代謝障害を引き起こす。新生児スクリーニング(NBS)による早期診断により迅速な治療が可能となり、神経学的合併症を予防することができる。本研究の目的は、カターニアのG. Rodolico-S. Marco病院先天代謝異常・新生児スクリーニング科で40年間(1987-2023年)に診断された患者におけるPKUおよび軽症高フェニルアラニン血症(m-HPA)の遺伝的および表現型スペクトラムを記述することである。材料と方法レトロスペクティブ解析には、シチリアで出生し、研究所で追跡調査された血中フェニルアラニン(Phe)値上昇の102例が含まれる。表現型の評価は、出生時/診断時のPhe値、食事耐性、塩酸サプロプテリン反応性で構成された。食事コンプライアンスとPhe/Tyr比が評価され、表現型クラスと年齢群で比較された。結果102例中、34例が古典的PKU、9例が中等度PKU、26例が軽度PKU、33例がm-HPAに分類され、年齢中央値は21.72歳であった。一般的なPAH変異体には、c.1066-11G>A(26/204対立遺伝子)、c.782G>A(18/204対立遺伝子)、c.165delT(13/204対立遺伝子)があった。m-HPAは、古典型、中等症型、軽症型のPKUと比較して、統計学的に高い食事耐容能と関連していた(p < 0.001)。結論本研究は、表現型予測および治療最適化のための大規模データベース(BioPKUなど)の重要性を強調している。Phe/Tyr比の定期的な評価は、アドヒアランスと健康状態をモニタリングする上で極めて重要である。PKU患者の転帰を改善するためには、表現型の決定、食事管理、および新たな治療法(ペグバリアーゼや遺伝子治療)が鍵となる。
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