見知らぬ危険か、善きサマリア人か?カナダ人保護者の屋外遊びにおける危険許容度の相関を調べる横断研究。
DOI:10.1186/s12889-025-21848-8
アブストラクト
背景:リスクに対する親の否定的な認識は、子どもの外遊びの機会を制限する可能性がある。子どもが環境中のリスクにさらされるのを過度に最小限に抑えることは、発達にさまざまな影響を及ぼす可能性がある。この横断研究の目的は、カナダの大規模な親サンプルを対象に、親のリスク許容度の相関を評価することである。
方法:この横断研究では、7~12歳の子どもを持つ2,291人の親を対象に、親のリスク許容度の個人的相関(例:性別)、社会的相関(例:近所の結束力)、環境的相関(例:歩きやすさ)を評価するオンライン質問票に回答してもらった。ロジスティック回帰を作成し、これらの因子と最もリスク回避的な四分位群に属するオッズとの関連を検討した。ロジスティック回帰は、赤池情報量規準(AIC)とモデル進行のための擬似Rに依存した階層的ステップで構築された。
結果:最終モデルの疑似Rは0.18であった。17の相関因子のうち5つが両親のリスク回避と関連していた。見知らぬ人の危険に対する懸念は、より高いリスク回避のオッズと関連していた(OR = 2.33, 95%CI[1.93, 2.82])。また、カナダ以外の国で生まれた子どもの親は、カナダで生まれた親に比べてリスク回避的である確率が高かった(OR = 2.13, 95%CI[1.54, 2.94])。最後に、COVID-19を非常に気にしていることはリスク回避のオッズを上昇させたが(OR = 3.07, 95%CI[1.93, 5.04])、世帯収入が10万を超えるとリスク回避のオッズは低下した(OR = 0.56, 95%CI[0.36, 0.87])。
結論:両親の危険に対する認識を再定義するような個別の介入が必要である。そのような介入は、他人による誘拐の発生が極めてまれであるにもかかわらず根強い、見知らぬ人の危険に対する懸念を再解釈する可能性がある。また、移民家庭や子どもの数が少ない家庭を対象とした介入も可能である。今後の研究では、文化的背景がリスク認知にどのような影響を与えるかについて、補足的に検討する必要がある。