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タンザニアにおける出生関連死亡率削減プログラムの成果。

DOI:10.1056/NEJMoa2406295

アブストラクト

背景:出産関連死亡は、特に低所得国において、世界的な死因の大きな要因となっている。Safer Births Bundle of Careプログラムは、出産関連死亡率の減少を目標に、母親と赤ちゃんのケアの質を向上させるために開発された介入策の組み合わせである。

方法:タンザニアの5地域の高負担施設30ヵ所において、Safer Birthsプログラムに関する3年間の段階楔型クラスター無作為化研究を実施した。プログラムにおける一連の介入は、定期的な現場でのシミュレーションに基づくトレーニング、現地の臨床データの収集と利用、訓練を受けた現地のファシリテーターの支援、および周産期ケアのための革新的なツールの使用を通じて、継続的な質の向上を目指した。主要アウトカムは周産期死亡であり、これには分娩内死産(分娩中の死亡が疑われる)と出生後24時間以内の新生児死亡が含まれた。

結果:合計281,165人の母親と277,734人の新生児が最終解析に組み入れられた。周産期死亡の推定発生率は、プログラムのベースライン期間の出生1,000人当たり15.3人から、プログラム実施後は出生1,000人当たり12.5人に減少した(調整相対リスク、0.82;95%信頼区間[CI]、0.73~0.92;P = 0.001)が、地域間でかなりの異質性がみられた。分娩内死産の発生率は,ベースライン期間では出生 1,000 例あたり 8.6 例,実施後は 8.7 例であり(補正相対リスク,1.01;95% CI,0.87~1.17),出生後 24 時間以内の新生児死亡の発生率は,出生 1,000 例あたりそれぞれ 6.4 例と 3.9 例であった(補正相対リスク,0.61;95% CI,0.49~0.77).重篤な有害事象は報告されなかった。

結論:Safer Births Bundle of Careプログラムの実施は、資源に乏しい環境における出産関連の緊急事態を対象とした質向上の取り組みを統合することの実行可能性を示し、周産期死亡率の有意な低下と関連した。(ISRCTN 登録番号 ISRCTN30541755)。

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