フェニルケトン尿症の学童における睡眠習慣の評価:比較研究。
DOI:10.1007/s00431-025-06048-1
アブストラクト
フェニルケトン尿症(PKU)は、フェニルアラニン水酸化酵素の欠損を特徴とする常染色体劣性遺伝性代謝異常症であり、神経毒性作用や神経発達障害を引き起こす。認知や行動の発達に重要な睡眠については、PKU患者ではまだ十分に研究されていない。本研究では、学齢期のPKU患児における睡眠の特徴と影響因子を、高フェニルアラニン血症(HPA)患児および健常対照児と比較して評価した。5〜10歳の小児101人が参加した:PKU37名、高フェニルアラニン血症31名、健常対照33名。睡眠の質と障害は、Children's Sleep Habits Questionnaire(CSHQ)と親からの報告データを用いて評価した。フェニルアラニン濃度や睡眠衛生習慣などの追加因子も分析した。CSHQの総スコアには群間で有意差はなかったものの、PKUの子どもは、一人で目覚めることが少ないなど、独特のパターンを示した。フェニルアラニン濃度は、睡眠不安の減少との関連を除いて、全体的な睡眠特性との有意な相関を示さなかった。HPA群と対照群では、睡眠衛生に及ぼす影響に違いがみられたが、PKU群ではそのような関係はみられなかった。本研究は、PKUにおける睡眠障害の複雑性を強調し、生物学的、行動学的、環境的要因を統合した今後の研究の必要性を強調している。睡眠障害の決定因子を明らかにすることは、PKU患者のQOLを向上させるための個別化された介入の開発に役立つであろう。知られていること- PKU患児は、慢性疾患に伴うリスクに加えて、代謝および神経化学的不均衡のために睡眠障害を受けやすい可能性がある。- PKUと睡眠に関する先行研究は主に成人を対象としており、学齢期の小児に関するデータは限られている。何が新しいのか:- PKU、HPA、健常対照の睡眠特性は、自力覚醒を除いて概ね類似していた。- HPA群と対照群では、睡眠衛生に及ぼす影響が明らかになったが、PKU群ではそのような関連は認められなかった。
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