中国人青年の肥満度と将来の高血圧リスクとの関係における性差:10年間のコホート研究。
DOI:10.1186/s12887-025-05555-2
アブストラクト
目的:本研究の目的は、思春期における体格指数(BMI)と将来の高血圧発症リスクとの関係を、特に性差の可能性に着目して検討することである。
方法:本研究は、1999年から2008年の間にMJ健診センターで健診を受けた10~15歳の青年2,020人を対象としたコホート研究に基づく二次解析である。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、BMIと高血圧リスクとの関連を性別で層別化して評価した。三次スプライン関数を用いたCox比例ハザード回帰は、潜在的な非線形関係を探索するために用いられ、頑健性を確保するために感度分析が行われた。
結果:多変量Cox比例ハザード回帰モデルは,思春期集団全体,特に男性においてBMIと高血圧リスクとの有意な正の関連を示し,ハザード比(HR)はそれぞれ1.204(95%CI:1.038-1.396),1.181(95%CI:1.013-1.377)であった。女性では、閾値効果を伴う非線形関係が同定され、BMI 24.11kg/m²に変曲点があった。この閾値を超えると、BMIが1kg/m²増加するごとに高血圧リスクが3.491倍高くなる(HR=4.491、95%CI:1.185-17.020)。
結論:中国の思春期男性において、BMIと将来の高血圧リスクとの間には正の用量反応関係が認められた。思春期の女性では、閾値効果(変曲点:24.11kg/m²)を伴う特異的な非線形関係が観察された。思春期女性においてBMIを24.11kg/m²未満に維持することは、将来の高血圧発症リスクを低下させる可能性がある。