中国における蕁麻疹:発生率、有病率、障害調整生存年数をG20諸国と比較:Global Burden of Disease study 2021の結果。
DOI:10.1007/s00403-025-04051-y
アブストラクト
蕁麻疹は中国における公衆衛生上の大きな課題となっているが、包括的な国別データ評価は不足している。本研究では、1990年から2021年までのG20諸国と比較した中国における蕁麻疹の負担を分析する。Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study(GBD)2021のデータを用いて、中国における蕁麻疹の発生率、有病率、障害調整生存年(DALY)を年齢・性別に検討した。時間的傾向は、年平均変化率(AAPC)推定値を用いて評価した。また、1990年から2021年までのG20諸国および世界の新規症例、患者数、蕁麻疹負担の変化を分解した。2021年に中国は、蕁麻疹の新規症例数1,730万例(95%不確実性区間、1,537-1,925)、蕁麻疹の既存症例数987万例(872-1,099)、蕁麻疹によるDALY数0.59万人(0.39-0.82)を報告し、G20諸国中第2位となった。これらの指標は5歳以下の女性でピークに達している。中国の年齢標準化率は世界平均より低く、1990年から2021年まで安定していた。5歳未満の年齢層では、有病率とDALY率が最も急速に増加した。蕁麻疹患者数は8.52%増加し、人口増加は19.86%、高齢化は11.31%、年齢特異的有病率は0.03%であった。年齢標準化率は安定しているにもかかわらず、中国における蕁麻疹の絶対的な負担は、特に5歳以下の女性の間で増加しており、標的を絞った公衆衛生介入の必要性が強調されている。重篤な全身疾患や致命的なアレルギー症状を発症する可能性のある蕁麻疹患者にとって、公衆の緊急事態に対する認識と対応を改善することは極めて重要である。
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