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COVID-19感染症およびMIS-Cの小児患者における非対称ジメチルアルギニン値の予後的意義。

DOI:10.1007/s00431-025-06079-8

アブストラクト

未登録:コロナウイルス疾患2019(COVID-19)およびCOVID-19関連小児多系統炎症症候群(MIS-C)は、世界的に生命を脅かす健康問題であることが知られている。本研究では、このような病態における非対称ジメチルアルギニン(ADMA)レベルと疾患の重症度との潜在的関係を検討した。2021年7月から2022年1月にかけて観察的前向き研究を行った。この研究には、COVID-19と診断された患者98人、MIS-Cと診断された患者21人、対照群となった健常人42人が登録された。COVID-19患者はさらに、外来患者、入院が必要な患者、集中治療が必要な患者の3つのサブグループに分類された。MIS-C患者は明確な第4群を形成していた。COVID-19の外来患者のADMA値の中央値は8097.0ng/L(四分位範囲:6436.06-10840.0ng/L)であったが、入院が必要な患者では13,195.60ng/L(11,472.4-15,862.2ng/L)と高かった。集中治療を受けている患者では、ADMA値の中央値が最も高く19,361.4ng/L(15,596.65-23,367.9ng/L)であった。MIS-C患者もADMA値が上昇し、中央値は15,735.50ng/L(13,486.6-20,532.5ng/L)であった。ROC曲線解析の結果、ADMA値6135.15ng/Lは、感度95%、特異度100%、陽性適中率100%、陰性適中率87.5%で患者と対照を識別できた。

結論:結論として、本研究はCOVID-19とMIS-Cの小児におけるADMA値を調査した最初の研究である。集中治療を必要とするCOVID-19の小児およびMIS-Cの小児においてADMA値が有意に上昇していたことから、これらの集団における内皮機能障害のバイオマーカーとしてのADMAの役割の可能性が示唆された。

内皮機能障害は様々な心血管系疾患において予後不良の決定因子であり、COVID-19およびMIS-Cの病態形成に重要な役割を果たしている。- 非対称ジメチルアルギニン(ADMA)は内皮機能障害のバイオマーカーとしてよく知られている。ADMAレベルの上昇は一酸化窒素産生を低下させることにより血管内皮機能に悪影響を及ぼす。

新しい知見: - COVID-19およびMIS-Cの小児におけるADMA値の上昇が疾患の重症度と関連していることを初めて示した。- ADMAは、小児のCOVID-19およびMIS-Cの予後を評価し、重症度を予測するのに使用できる潜在的なバイオマーカーとして同定された。

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