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Piezo1は、Ca2(+)/CaMKII依存性経路を活性化することにより、壊死性腸炎の進行を促進する。

DOI:10.1038/s42003-025-07821-6

アブストラクト

壊死性腸炎(NEC)は、早産児の壊滅的な炎症性腸壊死症であるが、その治療法は限られている。腸管上皮細胞(IEC)に広く分布するメカノセンサーであるPiezo1が腸管炎症に果たす役割を支持する証拠は増えているが、NEC発症におけるその根本的な機序は未解明のままである。本研究では、Piezo1の発現が妊娠月齢の低い早産児で高いことを明らかにした。IECにおいてPiezo1を欠損させたC57BL/6Jマウス(villin-specific Piezo1ノックアウトマウス;Piezo1VillinCre+)およびPiezo1同腹子を用いてNECを誘発したところ、Piezo1ノックアウトマウスはNECモデルマウスにおいて腸管バリア機能を制御し、サイトカイン分泌を制限し、炎症反応を低下させた。Piezo1は細胞質Ca2+レベルを上昇させ、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)を活性化し、in vitroでCaMKII/NF-κB相互作用とNF-κB活性化を促進した。最後に、CaMKII阻害剤KN93の効果をin vitroとin vivoの両方でNECモデルを用いて評価したところ、IECにおけるPiezo1の機能はKN93によって部分的に抑制された。本研究では、NECの発症におけるPiezo1の未定義の役割を明らかにした。この役割の一部は、病態生理学的条件下でのカルシウムの役割の違いに起因すると考えられる。

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