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肥満小児におけるナッツ摂取が認知機能と実行機能に及ぼす影響:無作為化臨床試験。

DOI:10.1186/s41043-025-00804-7

アブストラクト

背景:小児肥満は、脳を含む様々な身体器官を破壊する世界的な大きな課題である。栄養成分が豊富なナッツ類は認知機能を改善することが研究で示唆されている。本研究は、ナッツの摂取が肥満小児の認知機能および実行機能の改善に及ぼす影響を調べることを目的とした。

方法:本無作為化並行臨床試験では、8~10歳の肥満の女児90人を介入群(ナッツ30g/日)と対照群(ナッツなし)に分け、8週間摂取させた。さらに、ウェクスラー4(WISC-IV)質問票により小児の認知機能を評価し、実行機能は実行機能行動評価目録(BRIEF)保護者質問票により評価した。認知機能と実行機能に対するナッツ摂取の影響を調査するために線形混合効果モデルが用いられた。

結果:各群40名(平均年齢9±0.7歳)が試験終了まで協力した。介入群では対照群と比較して、ウェクスラー総スコア(差:23.1、95%CI:17.5、28.7、P<0.001)およびBRIEF総スコア(差:-16.5、95%CI:-29.4、-3.5、P<0.05)に有意な改善がみられた。さらに、絵の完成、絵の概念、ブロックデザイン、物体の組み立て、短期記憶、ディジットスパン、抑制、変位、開始、構成など、ウェクスラーテストとBRIEFテストの他の構成要素も、8週目以降、ナッツ群では対照群に比べて有意に改善した。

結論:これらの結果は、8週間にわたる認知機能改善のための食事介入としてのナッツ摂取の可能性を強調するものであり、肥満小児の脳の健康と認知発達をサポートするナッツの役割を強調するものである。

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